EdTechは働き方改革を起こすのか?
EdTech(Education × Technology)の普及によって、教育現場にはかつてない革新が起きています。
学習者の学び方が変わりつつあります。
同時に、このようなTechnologyの普及により、労働者の働き方も変わりつつあります。
EdTechが起こす「働き方改革」をご説明していきます。
教員の働き方を変える
教員の人手不足が深刻になってきています。
19年度、新潟県の小学校教員採用試験の倍率は1.2倍まで下がりました。
採用試験に合格した人全員が教員になるとは限りません。教員の数は足りていません。
教員数の確保、質の担保のためにEdTechを活用することが期待されています。
現状では授業研究や校務、部活動などの特別活動で十分に生徒のケアをできない先生が多いです。
先生は多忙です。
そこで、EdTechの出番です。
動画コンテンツを用いた学習指導の効率化、先生業務の自動化などにEdTechが用いられます。
同時に、先生の役割も「ティーチング」から「コーチング」に変わり、生徒の学習をマネジメントする立場になります。
これが、先生の働き方改革です。
2019年1月25日には、文部科学省は「学校における働き方改革推進本部」を設置しました。
そこでは、教員業務の役割分担や負荷軽減策の検討が進められます。
変わる働き方
このような時代変化に対して、具体的に動きを見せたのがN高等学校です。
2019年2月4日、教員の働き方改革の一環として、インターネットを使った「リモートワーク制度」を導入することを発表しました。
この制度によって、4月から全教員の1割をリモートワークにするとのことです。
担任補助業務をリモートワーカーに任せることで、担任がより生徒に寄り添えるようにするとのことです。
また、出勤することが難しい人に新たな働き口を提供する狙いがあるそうです。
18歳以下の子どもを持つ、シングルマザーを歓迎要件としています。
【リモートワーク】契約職員 | 学校法人角川ドワンゴ学園より
社内研修でのEdTechの活用
教育業界以外でも、EdTechを活用した働き方改革が進んでいます。
多様な顧客ニーズに応えるために、多様な人材を育成する社内教育の重要性は高まっています。
EdTechを用いて社内研修を実施することで、一斉型ではない個々に応じた研修プログラムを提供することができます。
日本航空は、客室乗務員の訓練・教育プラットフォームに、「Teacheme Biz」(スタディスト社)を活用しています。
経済産業省も、「人づくり革命・生産性革命『新しい経済政策パッケージ』」(2017年12月)の中で、EdTechの活用について言及している。
AI・ビッグデータ等を用いる新たな教育サービス(EdTech)を活用し、 多様なニーズに応じた個人の能力強化・開発を促進するため、実証事業を 通じた効果検証に基づく EdTech 導入ガイドライン整備等を行う。
https://www5.cao.go.jp/keizai1/package/20171208_package.pdf
まとめ
今後もEdTechを活用した働き方改革は、教育業界のみならず、あらゆる業界で推進されていきます。
EdTechは現存の様々な社会課題を解決する可能性を秘めています。
ワーク・ライフ・バランスの改善や、労働者のキャリア設計の一助になるとさらに期待されていきます。