もしも数学教師がITベンチャーに入社したら

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髪型に関する変な校則

教員時代、髪型に関する変な校則がありました。

その時の葛藤を書きます。

 

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頭髪が耳にかかってはいけない

 

男子は髪が耳にかかってはいけません。前髪も眉毛を越えてはいけません。女子も。茶髪はもってのほか。

 

 

男子の、耳にかかっていない「ツーブロック」も禁止。

生徒からは当然反発が出ます。「耳にかかってないじゃん!」

 

先生は問答無用で「ツーブロックもダメ」。

おそらく先生からしたら、流行りに乗らせることは生徒を調子に乗らせる、許してしまうとコントロールできない。

 

従順そうな、髪がサッパリしてる子が好きだったのでしょうね。

 

 

頭髪検査を学期に1回実施

 

学期に1回程度、頭髪検査を実施していました。全校集会、学年集会終わりに生徒を1列に並ばせて、先生全員で一人ずつチェックをしていきます。軍隊?

 

少しでも髪が耳にかかっていたり、前髪が眉毛を越えるくらい長かったら違反。その場で注意をし、「明日までに切ってこい」。

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髪型の乱れは心の乱れ?

 

髪型、服装の乱れは心の乱れと、先生たちはしきりに言います。確かに、髪型や服装が校則違反の生徒は荒れています。目立ちます。

 

でもそれは、自我の芽生えや、何かしらの精神状態の表れです。先生はそれを認めて生徒の心に耳を傾けるべきです。

 

頭髪検査時、少しだけ違反の生徒もいますが、中には明らかに長髪、茶髪な生徒もいます。

 

そういう生徒は何かしらのサイン、黄色信号を発しているはずです。家庭状況や友人関係に何かしらの問題を抱えている。精神的に不安定。

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これはありがたいサインです。先生はこのサインを見逃さずに、時間をとって生徒の現状を寄り添って聞けばいいのです。

 

しかし、問答無用に「明日までに切ってこい!黒に染めてこい!でなきゃバリカンで刈るからな!」

 

おいおい…

 

髪型や服装の乱れは心の乱れ、と言いますが、それをバリカンで刈るだけでは解決になりません。

 

そのように抑圧された生徒は長髪や茶髪を繰り返しますし、その他の問題行動を繰り返します。

 

短髪、黒髪は誰のためなのでしょうね?学校の見栄え?

 

 

なぜ校則はなくならない?

 

なぜこのような、一見理不尽な校則がなくならないかというと、教員の評価に関わるからです。

 

自分が担任をするクラスの生徒の服装がキチンとしていれば、その担任は「指導力のある先生」と評価されます。

 

逆に、クラスの生徒が長髪茶髪の違反生徒ばかりでしたら、「ダメな先生」の評価を受けます。

 

もちろん、このような評価は数値化して給与に反映されるなどのような制度ではありませんが、このような評価の見方は、先生たちの間では一定のコンセンサスを得ています。

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おそらくこのような先生たちも、新人時代にこのような評価の観点で良い先生か悪い先生か評価されてきたのでしょう。

 

今さら、評価の軸を見直すことは、過去の自分たちを否定することにもなりかねないことから、先生たちは見方を改めることができないのでしょうね。

 

文化というのは恐いもので、私も染まっていきました。最初は「これでいいのか?」と思っていましたが、徐々に先生たちの評価を気にしています。

 

生徒たちに対する、この不尽さへの理解は示していましたが、かえって中途半端です。私の中で割り切れなかったのが一番良くないことだと思います。

 

 

 

誰のための校則?

 

校則は、誰のためにあるのでしょうか?

もちろん生徒のためです。

 

学校は、生徒が安心して成長できる学習の場を提供することが求められる環境です。

 

そのためには、髪型の長さ、服装の規制は必要でしょうか?

 

現在ではこのような当たり前を見直す動きがなされ、制服を無くしたり、校則を見直すことが増えてきています。

 

また、学校にスマホを持ち込むことが禁止されている学校が多い中、学校でのスマホ利用を許可する学校も増えてきています。

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生徒のより良い学習環境を提供するためです。

最低限のルール、校則は生徒のために設けられるべきです。

 

 

校則は誰が決めるべき?

 

校則は、生徒が決めるべきです。

髪型も、服装も、スマホの利用も、生徒が自分たちにとって何が必要なのかを考えさせるいい機会です。

 

中には、楽な方ばっかりに考える生徒、自立していない生徒がいます。

 

しかし、しっかりと自分たちの学習、学びがどうあるべきかを広い視野を持って考えようとする生徒が少なからずいます。

 

その子たちを中心に考えさせればいいのです。

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これからの時代は、既存のルールに縛られず、新しい価値を創出していく時代です。当たり前の既存概念、固定概念を批判的に、創造的に思考する力が求められます。

 

そのような力を育成するためにも、校則の見直しを生徒に考えさせるのがベストだと思います。